残価設定ローン(残クレ)のメリットとデメリット

公開日:2026/02/09  

残価設定

車を購入する際の支払い方法として「残価設定ローン(残クレ)」を検討する方が増えてきています。月々の支払いを抑えられる点が魅力ですが、その一方でデメリットも存在します。本記事では、残価設定ローンの仕組みや一般的なカーローンとの違い、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。ほかの支払い方法もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

残価設定ローンとは?

残価設定ローンとは、車両価格の一部を「残価」として据え置き、残りの金額を分割で支払うローン方式です。残価とは、契約終了時点での車の想定下取り価格のことであり、あらかじめ設定されます

たとえば、車両価格が300万円で残価が100万円に設定された場合、残りの200万円を分割して支払います。そのため、車両価格全額をローンで組む場合と比べて、月々の返済額を抑えられるのが特徴です。

契約期間は3年〜5年程度が一般的です。契約終了時には「車を返却する」「残価を支払って乗り続ける」「新しい車に乗り換える」といった選択肢が用意されています。

残価設定ローンと一般的なカーローンの違い

一般的なカーローンは、車両価格全額または頭金を差し引いた金額を分割して返済する仕組みです。完済すれば車は完全に自分の所有物となり、走行距離や使用状況に制限はありません。契約期間も3~10年と幅広い選択肢から選べます。

一方、残価設定ローンでは、車の一部を将来の価値として残すため、月々の負担は軽くなりますが、走行距離制限や車両状態に関する条件が設けられます。また、契約終了時に追加の支払いが発生する可能性がある点も大きな違いです。

ライフスタイルや予算に合わせて、最適な支払方法を選ぶとよいでしょう。

返済期間終了時の残価清算方法

残価設定ローンの返済期間が終了すると「車の返却」「乗り換え」「残価を支払って買い取る」という3つの選択肢から選ぶことになります。返却を選ぶ場合、事故修復歴がないことや走行距離が契約内に収まっていることなど、契約時に定められた条件を満たしていれば、残価を支払う必要はありません。また、そのまま新しい車への乗り換えを希望する場合は、購入店舗で同じメーカーの車のなかから選びます。

残価を支払って買い取りする場合には、購入店舗で残価の支払いを行います。一括もしくは再クレジットで支払わなければならないため、あらかじめまとまった資金を用意する必要があります

いずれの方法を選ぶ場合でも、事前に慎重な判断が求められます。

残価設定ローンのメリット

残価設定ローンには、以下のようなメリットがあります。

月々の返済額を抑えられる

最大のメリットは、月々の返済額を低く抑えられる点です。残価分を支払い対象から外すことで、同じ車でも一般的なローンより負担が軽くなります。従来は手が届かない高級車や上位グレード車の購入も視野に入れることができるでしょう。

とくに新車価格が高騰している昨今では「欲しい車に手が届く」という点で残価設定ローンを選ぶ人が増えています。家計に余裕を持たせながら車を所有したい人にとって、大きな魅力といえるでしょう。

また、ライフスタイルに合わせて柔軟な支払い方法が選べる点も強みのひとつです。たとえば、トヨタ自動車が提供する残価設定ローンの場合、新規契約時に一部繰り上げ返済を利用できます。ボーナスなどの臨時支払いがあったときに返済額を増やすことで、月々の支払いの負担を軽減できます。

購入手続きをスムーズに進められる

残価設定ローンは、ディーラーや中古車販売店で契約手続きを行うため、購入手続きとローン契約を同時に進められます。わざわざ金融機関に出向く必要がなく、時間と手間を短縮できます。審査から契約までの流れがスムーズで、購入時の手間を減らせる点は、忙しい人にとってメリットとなります。

また、契約後も気になることがあれば、販売店で専門スタッフに相談できます。購入から支払い、アフターサービスまで一貫して一つの窓口で対応してくれる点は、大きな魅力といえるでしょう。

完済前に乗り換えられる

契約期間中に、新しい車への乗り換えがしやすい点も特徴です。契約内容によっては、途中で残債を精算し、次の車の残価設定ローンへ移行できます。さらに、現在のローン残高と車の下取り額が同じタイミングで買い替えることで、下取り額でローン残債を相殺できます。

数年ごとに最新モデルへ乗り換えたい人や、ライフステージの変化に合わせて車を替えたい人にとって、柔軟性の高い支払い方法といえるでしょう。

残価設定ローンのデメリット

残価設定ローンにはさまざまなメリットがある一方で、一般的なカーローンにはないデメリットも存在します。ここでは、残価設定ローンの主なデメリットを3つ紹介します。

契約終了時に支払いの準備が必要

契約終了時には、残価分の支払いが必要になる場合があります。車を返却すれば支払いは不要ですが、乗り続ける場合は残価を一括または再ローンで支払わなければなりません。

また、返却する場合でも、査定額が残価設定額を下回ったときには、差額の支払いが求められる可能性があります。あらかじめまとまった資金を用意しておくことが大切です。この点を理解せずに契約すると「最後にまとまったお金が必要になってしまった」という事態になりかねません。

なお、プランによっては、一定の条件下で残価が保証されるものもあります。契約時には、プラン内容をしっかりと確認し、将来の資金計画を含めて検討することが重要です。

走行距離制限がある

多くの残価設定ローンでは、年間走行距離に制限が設けられています。制限を超えると、契約終了時に追加費用が発生することがあります。

通勤やレジャーで車を頻繁に使う人、長距離運転が多い人にとっては、ストレスを感じやすいポイントです。車を使う頻度を考慮して検討するとよいでしょう。

契約前にオードメーターやトリップメーターを利用して、月間の走行距離を把握しておくと安心です。近年は、走行距離を確認できるアプリもあるため、活用してみましょう。

金利が発生する

残価設定ローンは、毎月の支払いだけでなく、残価分にも金利が発生するため注意が必要です。あらかじめどれくらいの手数料がかかるのかを確認し、計画に組み込むことが大切です。金利自体は一般的なカーローンと大きく変わらないケースが多いですが、総支払額を計算すると割高になることもあります。

ディーラー・販売店によって金利は異なるため、気になる方は最寄りの店舗に問い合わせてみましょう。

残価設定ローン以外の選択肢

車の支払い方法は、残価設定ローンだけではありません。ライフスタイルや車の使い方によっては、ほかの選択肢が適していることもあります。

カーリース

月々の負担を抑えて車に乗りたい方には、カーリースの利用を検討してみてもよいでしょう。ここでは、カーリースの仕組みやメリット・デメリット、残価設定ローンとの違いを解説します。

カーリースの仕組み

カーリースとは、リース会社が購入した車を一定期間借りて利用する契約形態です。利用者は車両代金を分割で支払うのではなく、利用料として毎月定額料金を支払います。

多くのカーリースでは、車両代金だけでなく、自動車税や重量税、自賠責保険料、車検費用などが月額料金に含まれています。そのため、車にかかる支出をまとめて管理しやすい点が特徴です。

また、カーリースの場合は、残価設定ローンのような利息が発生しません。必要な期間だけ利用できるため、ライフスタイルの変化にも柔軟に対応可能です。

カーリースのメリット

カーリースの最大のメリットは、支出が毎月一定になることです。突発的な税金や車検費用の支払いが発生しにくく、家計管理がしやすくなります。頭金が不要もしくは少額で利用できるプランが多いため、初期費用を抑えたい人にも向いています。

また、契約期間満了時には、スムーズに新車に乗り換えられる点も魅力です。購入の場合は、下取り価格の交渉や売却手続きに時間がかかりますが、カーリースであれば返却するだけで済みます。定期的に最新モデルに乗り換えたい方にとって、手続きの手間がかからない点はうれしいポイントといえるでしょう。

さらに、法人や個人事業主の場合、リース料を経費として処理しやすい点もメリットのひとつです。業務用車両として利用するケースでは、カーリースが選ばれることも少なくありません。

カーリースのデメリット

カーリースのデメリットとしてまず挙げられるのが、原則中途解約ができない点です。契約期間中に解約する場合、高額な違約金が発生するケースが多く、ライフスタイルの変化に対応しづらい面があります。

また、一般的には走行距離制限や車両の使用条件が設定されているため、制限を超えると追加費用が発生する可能性があります。車を頻繁に使う方や長距離移動が多い方にとっては不向きといえるでしょう。

さらに、月額料金には税金やメンテナンス費用が含まれている分、長期間利用すると総支払額が割高になりやすい点にも注意が必要です。契約終了時には車を返却するため、支払いを続けても資産として残らない点もデメリットといえます。

残価設定ローンとカーリースの違い

残価設定ローンとカーリースは、どちらも月々の支払いを抑えられる点が共通していますが、所有権の扱いが大きく異なります。残価設定ローンでは、名義は販売店や信販会社になることが多いものの、将来的に買い取ることで自分の車にできます。

一方、カーリースはあくまで「借りる」形であり、原則として車はリース会社の所有物です。契約期間は3~11年と幅広く、プランによっては途中解約も可能です。

また、カーリースは税金や車検費用が含まれている分、トータルで見ると割高になる場合もあります。車の所有を重視する方には、残価設定ローンのほうが向いているでしょう。

クルマのサブスクリプションサービス

カーリースと似たようなサービスとして、サブスクリプションサービスが挙げられます。ここでは、クルマのサブスクリプションサービスの仕組みやメリット・デメリット、残価設定ローンとの違いを解説します。

クルマのサブスクリプションサービスの仕組み

クルマのサブスクリプションサービスは、月額料金を支払うことで車を利用できるサービスです。カーリースと似ていますが、より短期間かつ柔軟な契約が可能な点が特徴です。

契約期間は数か月〜数年と幅広く、ライフスタイルの変化に合わせて車を乗り換えやすい仕組みになっています。保険料やメンテナンス費用、税金などがすべて含まれているプランも多く、突発的な支出が少ない点が魅力です。

また、クレジットカード決済やオンライン申し込みに対応しているサービスがほとんどなので、手続きが簡単で手軽に利用できる点も支持されている理由のひとつです。

クルマのサブスクリプションサービスのメリット

サブスクリプションサービスのメリットは、手軽さにあります。契約手続きが簡単で、車に詳しくない人でも始めやすい点が魅力です。

また、転勤や引っ越し、家族構成の変化など、将来の予定が読みにくい人にとっては、短期間で契約を見直せる点が大きなメリットになります。車検や保険、メンテナンスを気にせず利用できるため、移動手段として利便性の高い選択肢といえるでしょう。

クルマのサブスクリプションサービスのデメリット

クルマのサブスクリプションサービスの最大のデメリットは、コストが高くなりやすい点です。保険料や税金、メンテナンス費用などがすべて含まれている反面、長期間利用すると購入やローンよりも総額が高くなるケースも少なくありません。

また、選べる車種やグレードは限定されていることが多く、細かな仕様やオプションにこだわりたい方にとっては物足りなさを感じることもあります。さらに、契約終了時には借りたときと同じ状態に戻して返却する必要があります。原状回復が可能なカスタマイズであれば一部認められる可能性もありますが、事前に契約内容を確認しておくと安心です。

なお、契約内容によっては走行距離制限や使用制限が設けられており、自由度が高いとは言い切れません。あくまで車を所有せず、手軽に使うことを前提としたサービスのため、愛着を持って長く乗りたい人には不向きな選択肢といえるでしょう。

残価設定ローンとサブスクリプションサービスの違い

残価設定ローンは「購入を前提とした支払い方法」であるのに対し、サブスクリプションサービスは「利用すること」に特化しています。残価設定ローンでは、契約終了後に買い取る・返却する・乗り換えるといった選択肢がありますが、サブスクリプションサービスでは基本的に返却が前提です。

また、サブスクリプションサービスは利便性が高い反面、長期間利用するとコストが高くなる傾向があります。数年以上同じ車を使う予定がある場合は、残価設定ローンやカーローンのほうが割安になるケースも多いでしょう。

おすすめの支払い方法

ここでは、それぞれの支払い方法がどのような人に向いているのかを整理します。

残価設定ローン

残価設定ローンは、月々の支払いを抑えながら新車に乗りたい方に向いています。契約期間終了後は、返却もしくは買い替えのどちらかが選べるため、3~5年ほどで買い替えることが多い方にとっては、使い勝手がよい仕組みといえるでしょう。走行距離が少なく、車をきれいに使える人ほど、残価のメリットを活かせます。

ただし、長期間の利用を考えている方や長距離運転が多いという方には、あまりおすすめできません。走行距離の制限を意識しながらの利用は、ストレスがかかる可能性があります。

一般的なカーローン

一般的なカーローンは、長く同じ車に乗りたい方におすすめです。走行距離制限や使用条件がなく、完済後は完全に自分の資産になります。自由度を重視する人や、カスタマイズを楽しみたい方には、最も安心できる支払い方法といえるでしょう。

一方で、選ぶ車によっては、毎月の支払いが負担に感じる可能性もあります。無理のない資金計画を立て、慎重に検討することが大切です。頭金の準備が難しいという方は、残価設定ローンの方が適しているケースもあります。

カーリース

カーリースは、支出管理をシンプルにしたい方や、法人・個人事業主に向いています。税金や車検を含めて管理できるため、車に関する手続きを減らしたい人におすすめです。

ただし、カーリースの場合は、あくまでも車を借りる仕組みなので、カスタマイズはできません。車を所有して自由に使いたいと考えている場合には、残価設定ローンや一般的なローンでの購入が向いています。

サブスクリプションサービス

サブスクリプションサービスは、短期間だけ車を使いたい方や、所有にこだわらない方に適しています。任意保険も含めて諸費用が利用料に含まれているため、突発的な支出が少なく、手軽に利用できます。

また、カーリースと同様に経費処理がしやすいため、個人事業主や法人での利用にも最適です。転勤やライフスタイルの変化が多い人にとって、柔軟性の高い選択肢といえるでしょう。

まとめ

残価設定ローンは、月々の支払いを抑えながら新車に乗れる支払い方法です。契約期間終了後には、買い取りもしくは返却のどちらかを選ぶことができ、短期間で乗り換えたい方に向いています。一方で、契約満了時の精算や走行距離制限など注意すべき点もあります。一般的なカーローンと比べると自由度の低さがデメリットといえます。そのほか、カーリースやサブスクリプションサービスを利用するのもひとつの手です。いずれもメリット・デメリットが存在するため、ライフスタイルに合わせて最適な手段を選ぶとよいでしょう。本記事が参考になれば幸いです。

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