新車購入における予算と年収のバランスとは?賢く購入するポイント
新車を購入するなら、もちろん自分が欲しい車を選びたいでしょう。しかし、自分には贅沢かなと思う高額な車を購入すれば、支払うことができなくなる可能性もあるので、安易に決めるのは危険です。分割ならなんとかなりそう、そう思うかもしれませんが、賢く購入するためには予算と年収のバランスが大切なので、詳しく解説します。
新車購入の予算は年収とのバランスがカギ
新車購入のための予算はいくらまでならOKか、それはその人の年収から、目安がわかります。無理のない範囲で車を購入するために、価格の目安は年収の5割までだと考えてください。たとえば、年収が500万円の人なら250万円、400万円の人なら200万円ですから、つまり年収の半分までならOKということになるでしょう。意外と多いと感じるか、その程度なのかとがっかりするかは、個人差があります。
しかし、この数字を、そのまま受け止めることが危険な人もいるので注意してください。具体的にいうと、年収が300万円以下の人の場合ですが、300万円収入があるから150万円の車を買っても大丈夫ということにはならないのです。親と同居していたり、共働きでパートナーにある程度の収入があれば問題ないかもしれませんが、自分ひとりの収入だけでやりくりして生活しているなら、収入の半分を車の購入にあてたら大変なことになる可能性もあります。
大丈夫、やりくりできるという自信がある人もいますが、年収が少なめなら、5割も車の購入に使うことはおすすめできません。もちろん、十分な貯金があるという人なら例外もあります。目安を参考にしつつ、生活費の収支や今後のライフプランなども考えて、新車購入の予算を決めてみてください。
新車購入の予算と年収とのバランスの目安とは
せっかく新車を購入するのであれば、憧れの車や気に入った車を手に入れたいと思うのは当然のことです。しかし、年収に見合わない車を無理して買うと、ローンや維持費の支払いが厳しくなり、いずれ手放さなければならなくなってしまいます。新車を購入する際には、年収とのバランスを取ることが大切です。
購入予算は年収の半分以下が目安
新車購入の予算としては、年収の半分以下が目安となります。たとえば、新卒の平均年収は200~250万円と言われているので、100~150万円ほどの車であれば、無理のない返済計画が立てられるでしょう。
なお、新車購入の予算には、車両価格だけでなく、購入時に支払う諸費用も含まれます。諸費用は、車両価格の1~2割ほどです。そのため、実際に、車両価格に当てられる金額は、80~120万円ほどです。
ただし、年収の半分以下というのは、あくまでも目安です。実際の購入予算は、貯金額や月々の家賃、家族構成も考慮する必要があります。なお、既に貯金がある方であれば、予算を気にする必要はありません。
フルローンなら年収の3~4割ほどが目安
車をローンで購入するなら、借入額を考慮して予算を組む必要があります。ローンの借り入れ上限額は、年収の3~4割が目安です。
そのため、年収400万円の人であれば、120~160万円までが借入上限額となるでしょう。欲しい車が上限額を超える場合には、頭金を用意しなければなりません。
さらに、ローン審査においては、年収に対する返済額の割合も確認されます。返済比率は、住宅ローンも含めてすべての返済を合わせて年収の3割までとなります。
また、毎月の返済には利息も付きます。月々の返済額と利息総額とのバランスを考えた上で、借入額を決める必要があるでしょう。
年収ごとの新車購入の予算
国税庁の調査によると、2021年度の平均年収は446万円となっています。新車購入の際には、年収を基に無理のない予算を立てることが大切です。
たとえば、年収300万円未満の場合には、ボーナスなしで月収15~18万円ほどです。年収の半分以下と考えると、100万円が限度額です。
しかし、収入の大部分を新車の購入費に充ててしまうと、維持費で苦労する可能性が高いでしょう。一括購入であれば、50万円ほどの予算に留めることをおすすめします。
また、年収400万円未満であれば、月々の手取りは22~23万円ほどです。ボーナス払いを併用することで、ローンを組んで新車を購入することができるでしょう。年収の半分である200万円を新車購入に充てることができますが、維持費も考慮すると150万円ほどであれば安心です。
さらに、日本の平均年収よりも高い600万円未満の年収であれば、選択肢の幅が広がります。月々の手取りが35~36万円ほどなので、新車購入にお金をかけられます。
予算としては、年収の半分にあたる300万円ほどです。ただし、進学を控えている子どもがいるなど、家族構成によっては240万円ほどになる可能性もあります。
維持費など中長期の予算も見る必要あり!
新車を購入する際には、本体価格だけでなく、ランニングコストも考慮して予算を決める必要があります。自動車を維持するためにかかる費用の内訳や車種ごとの目安を紹介します。
自動車の維持費の内訳
自動車の維持費は、大きく分けて「税金」「保険料」「メンテナンス費」「走行に必要な費用」の4つに分けられます。これらの維持費は、排気量や重量によって金額が異なります。
まず、税金についてですが、自動車税や自動車重量税といったものがあります。自動車税は、毎年4月1日時点で自動車を所有している人に課される税金のことで、排気量によって税額が異なります。また、自動車重量税は、自動車の重量によって課されており、車両重量が増えると、金額も上がります。
自動車保険に関しては「自賠責保険」と「任意保険」の2種類が存在します。自賠責保険は、法律によって加入が義務化されており、所有者は全員支払う必要があります。どの保険会社で加入しても金額は変わりません。
一方、任意保険には法的な義務は課されていませんが、自賠責保険だけでは補償されないリスクをカバーするために加入します。任意保険は、補償内容によって保険料が異なります。
次に、メンテナンス費用ですが、代表的なものは2年に1度の車検代です。車検は法律で定められた定期検査であり、車検が切れると公道を走ることができません。そのほかにも、タイヤやバッテリーといった消耗品の交換費用、車が故障した際の修理代金などが含まれます。
最後に、走行するために必要な費用としては、ガソリン代や高速代などが挙げられます。なお、駐車場を借りている場合には、駐車場代も加味する必要があります。
軽自動車にかかる維持費の目安
軽自動車は重量が軽く、排気量も少ないので、普通車と比べると税金が低く設定されています。また、燃費性能が高いモデルが多いため、ガソリン代も抑えられます。
維持費の目安としては、年間で33万1,635円ほどです。内訳としては、自動車税が10,800円、自動車重量税が3,300円、自賠責保険料が12,550円、任意保険料が8万円、駐車場代が12万円、ガソリン代が8万円、車検代が25,000円です。
コンパクトカーにかかる維持費の目安
コンパクトカーとは、その名の通り重量が小さい車のことです。ただし、軽自動車よりは車体が大きいので、その分税金が高くなります。
コンパクトカーにかかる維持費の目安は、年間で39万715円です。軽自動車と比べると、自動車税・自動車重量税が高くかかります。
ミニバンにかかる維持費の目安
ミニバンは比較的大きな車なので、税金をはじめとしてすべての維持費が高い傾向にあります。また、駐車場を借りる場合は高さ制限に引っかかる可能性が高いので、選択肢が狭まり費用も高くなってしまうケースが少なくありません。
ミニバンを維持するためにかかる費用の目安は、45万1,915円です。
車の購入方法について紹介
自動車の購入方法は、大きく分けて「現金一括払い」と「クレジット払い」の2種類です。それぞれくわしく紹介します。
現金一括払い
現金一括払いとは、その名の通り車両価格・オプション代金・税金や手続きにかかる諸経費などをまとめて現金で支払う購入方法です。
現金払いのメリットは、金利がかからないことです。カーローンを組むと、金融機関によってパーセンテージは異なりますが、金利がかかります。実際の購入費用よりも、支払総額が高くなってしまいます。
その点、現金払いであれば金利が一切かからないので、費用を少しでも抑えたいと考える方におすすめです。また、完全に自分の所有物となるため、気持ちよくマイカーを購入できるでしょう。
ただし、一度にまとまった支払いを行うため、ライフプランとのバランスを取ることが大切です。急な冠婚葬祭、病気やケガの際の医療費などの大きな出費が発生する可能性も考慮して、余裕を持った支払いを心がけましょう。
クレジット払い
クレジット払いは、車の購入代金を月々分割で支払う購入方法です。その中でもいくつか種類があり、支払額が最後まで一定の「均等払い」や最終回に残価を支払うことで毎月の支払額を抑える「残価設定プラン」残価は設定しつつ、頭金と最終回の2回払いによって月々の支払いをなくす「残額据え置きプラン」などがあります。
クレジット払いの魅力は、手元にまとまったお金がなくても車を購入できることです。現金払いのデメリットである大きな出費に備えられます。また、毎月の支払いだけでなく、ボーナス払いを併用することで、月々の支払いを調整できます。
しかし、クレジット払いでは金利がかかるため、支払総額は現金一括払いより高くなってしまいます。カーローンの金利は、契約する金融機関や契約期間によって異なるため、契約を結ぶ前にしっかりと確認しておきましょう。
賢い新車購入のポイントと注意事項
欲しい新車を購入できるだけの金銭的余裕があっても、購入したあとのことをなにも考えていなければ、車選びを失敗する可能性が高いです。月々の支払いは問題ないと安心していている人もいますが、車を所有することで、ほかにもお金が必要になることを頭に入れておく必要があります。
車を持つとこれだけの維持費がかかる
車を購入したら維持費として、諸税金や保険料・メンテナンス費用・ガソリン代・駐車場代が必要になります。駐車場代は、自分が所有する敷地内にスペースがあれば不要ですが、そのほかは車を乗り続けることで必ず必要になる費用です。駐車場代をのぞき、どの維持費も、車体が大きければ大きいほど高くなります。
通勤など、ほぼ毎日車を利用するのでなければ、維持費の要らないタクシーを利用した方が安く済むといわれているぐらいです。そのくらい維持費はかかるものです。また、購入したけれどほとんど車を利用しない場合でも、ガソリン以外の維持費はかかることを忘れてはいけません。
ローンの金利も把握しなければいけない
車を購入する場合、多くの人がカーローンを利用することになるでしょう。ローンを組めば、車本体の価格にプラスして利子も支払わなければなりません。月々の返済額が大きいと負担になるので、金額を少なくできる長期のローンを選ぶ人もいますが、返済が長期になれば、その分利子の負担額も大きくなります。ローンを組む金融機関によって、金利には差があるので、金利が低いものを選ぶことも大切です。しかし、いくら金利が低くても、車の購入価格は大きいため、ちゃんと返済していけるのかじっくり考えてから契約しましょう。
年収に応じたおすすめの車種と選ぶコツ
車を購入したことで、生活に支障が出るのは困ります。車を選ぶ際には年収に応じたものを選ぶようにしましょう。どのような車種がおすすめなのか、年収別に紹介します。
年収が300万円未満なら
年収が300万円なら、手取り額は15万~18万円程度で、雇用形態は正社員のほか派遣社員やパートなど非正規雇用も含まれます。このくらいの年収なら、その半分を車の購入費にあてることは危険なので、多くて100万円が限度だと思ってください。車種は維持費を安く抑えられる、軽自動車かコンパクトカーがおすすめです。
年収が400万円未満なら
400万円未満の年収の人は、日本では少なくありません。給与の手取り額は月に22万~23万円くらいになり、ボーナスが出るのなら、ボーナス払いも利用してローンを組むことができます。このくらいの年収になると、その半分の200万程度まで予算にあてることができますが、維持費も必要になるので150万円くらいに考えておくのがおすすめです。車種は軽自動車なら車両価格が高めのものでもOKで、コンパクトカー、そしてセダンタイプでも購入可能です。
年収600万円未満なら
平均年収よりもやや高い600万円程度なら、給与の手取り額は月に35万円~36万円くらいになり、車にもお金をかけられるはずです。収入の半分は300万円くらいになりますが、家族構成によっては、子どもにかかるお金が年々増えることが考えられるので、240万円程度に抑えておくのがおすすめになります。このくらい予算をかけられるなら、予算を気にして車種を選ぶこともなくなるので、さまざまな選択肢から気に入ったものを選ぶことができるでしょう。
まとめ
新車を購入することになれば、後悔したくないから予算オーバーでも頑張ってしまおうかなと思うかもしれません。しかし、自分の収入に見合わない高額な車を購入してしまえば、購入後の生活が困窮し車を手放さなければならないこともあるのです。そんな事態を防ぐために、予算と年収のバランスを考え、現実から目をそらさず冷静になって車を選ぶべきでしょう。車は維持費も思いのほかかるし、ローンの金利も無視できませんから、それも含めて支払っていけるかどうかじっくりと考えることが大切です。